シャモア Chamoisu (英) Gemse(独) |
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《学名》 Rupicapra rupicapra Rupicapra=「岩のヤギ」 《亜種と分布》 ヨーロッパとアジアの高い山にそれぞれ独立して生息している。 Rupicapra rupicapra rupicapra =アルプスシャモア =フランスからユーゴスラビアまでの アルプス山脈 Rupicapra rupicapra parva =カンタブリカシャモア =スペインのカンタブリカ山脈 Rupicapra rupicapra pyrenaica =ピレネーシャモア =ピレネー山脈 Rupicapra rupicapra cortusiana =フランスシャモア =南フランスのシャルトルーズ Rupicapra rupicapra ornata =アブルッツォシャモア =イタリアのアブルッツォ国立公園 Rupicapra rupicapra faesula =サビオシャモア =アペニン山脈のサビオ川源流付近 Rupicapra rupicapra balcanica =バルカンシャモア =バルカン半島の山脈 Rupicapra rupicapra tatrica =タトラシャモア =カルパチア山脈の山並みのうちの 高タトラ山脈 Rupicapra rupicapra carpatica =カルパチアシャモア =ルーマニアからウクライナにかけての カルパチア山脈 Rupicapra rupicapra caucasica =カフカスシャモア =コーカサス山脈 Rupicapra rupicapra asiatica =トルコシャモア =トルコ北部、 黒海南岸のトラブゾン付近 《食性》 季節によって食性に差がある。夏は広い葉の草本類、冬はイネ科植物、木々の芽や小枝など。食料の少ない時期は、針葉樹の葉、地衣類、木の実など。 《体格》 つりばりのような形の後ろに反った角が特徴。 おとなで頭胴長110〜130cm、こどもは40〜50cm。背までの高さはおとなで約75cm、こどもで約30cm。おとなの体重は約40kg、こどもは約3kg。 日本カモシカセンターのシャモア→ きれいな顔立ちとスマートな体型で 人気No.1だそうです。 |
《シャモアの生活》 シャモアは夏の間は、メスとそのこどもが小さな群れになって、おとなのオスは単独もしくは独身者のみの群れになり、なわばりを持ち、標高4000m以上の険しい山の斜面の草地で生活します。冬の間は大きな群れとなり、低地の森林地帯に移動します。ドイツでは冬には標高500mより低いところでも見うけられます。オスは交尾期の秋になるとなわばりの中のメスたちの群れに合流します。メスの独占をめぐって、オス同士は角で激しい戦いを繰り広げます。 オスはメスよりも体格は大きく、角もメスより長く重いです。 角を立ち木の幹にこすりつけた跡に、後角腺や蹄腺から分泌する臭いのある分泌液をつけてなわばりを主張します(マーキング)。 堅い蹄と柔らかい足裏を使って、険しい岩場を器用に素早く移動でき、また脚力が強く高く跳躍できます。体型も他のカモシカたちよりもスマートで、岩登りは一番上手です。 場所を決めず散糞をします。 シャモアの換毛は、ニホンカモシカやシロカモシカなどがごっそりと毛布のようなかたまり状で抜け落とすのと違って、一本ずつ風に吹かせて抜け飛んでいきます。 日中に活発ですが、暑い昼時は日陰で休息しています。 秋(9〜11月)に交尾をして、翌年の春(4〜6月)に通常1頭のこどもを出産します。生まれたばかりのこどもでも、数時間もすれば山を歩き回ることができます。イヌワシがこどもを襲ってきても、母親は勇敢に角でイヌワシと戦います。 日本カモシカセンターではシャモアを飼育していますが、オスは別々の飼育場に入れられているにもかかわらず、フェンス越しに互いに激しく攻撃しあったりするそうです。また、ジャンプしたりくるくる回ったりの華麗なダンスもするとか。 現存しているシャモアの種は、それぞれの生息する高山で独立していますが、ドイツの標高1000m程度の山やニュージーランドの山にも、人間によって移入され、その土地に順応して生息するものもあります。 日本では、三重県の日本カモシカセンターで飼育され、公開されています。 |
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(日本カモシカセンターの絵はがきより) |
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